赤毛のアンと世界一美しい島

~ここにしかないプリンス・エドワード島に出会う~
トラベルエッセイ

僕とアンが見つけた14の物語

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世界一のアイスクリーム

「校長先生のベルさんの奥さんとリンドの小母さんがアイスクリームをつくるのですって―考えてもごらんなさい、マリラ。アイスクリームよ」
「アイスクリームって言語を絶したものだわ、マリラ。まったく崇高なものね」-(モンゴメリ著/村岡花子訳/新潮文庫刊「赤毛のアン」より)

「GREEN GABLES」にやって来た時、アンは2年前に1度チョコレート・キャラメルを1つ食べたことがある、と言っていたっけ。

甘いものを食べさせてもらえなかったからかもしれない、「GREEN GABLES」でのアンは、甘いケーキやお菓子に目がなくて。

だけど、その中でもアンがもっとも愛して止まないのがアイスクリームだと思う。

広大なカナダの大地にあって、PEIはまったくもって小さな島だけど、驚くことに、この島には世界一のアイスクリームがあるんだ。

シャーロットタウンの真ん中、交差点に面したレンガづくりの建物が「COWS」の本店だ。

ピクニックに行ったアンが、「言語を絶した」「崇高なもの」とまで褒め称えたアイスクリームで、この小さな島が世界一の栄冠に輝いたんだから、こんな愉快なことはない。

バニラやチョコレートのアイスクリームを食べたけれど、どれも濃厚で、本当にいいミルクから作られていると実感できる。

もちろん、世界一なのかどうかを判定する能力が僕にあるはずがない。

けれど、店内にはイタリアのジェラートや、ニュージーランド、パリのアイスクリームを抑えて、見事世界一になったという掲示もある。

小さな子供たちだって、こんなにおいしそうにCOWSのアイスクリームを食べているんだから、これはもう間違いのない話だ。

カナダ全土で10店舗、そのうち6店舗がPEIにある。アイスクリームは全部で36種類だ。

さて、COWSの人気はアイスクリームの味だけじゃあない。

テレビの人気ドラマやスターを「牛」にしてしまったCOWSのパロディTシャツがまた、PEIの人たちから愛されているんだ。

われらが愛するアンももちろん、「牛」にされてしまっている。

「ANNE of GREEN GABLES」じゃなくて、「ANNE of GREEN STABLES(牛舎)」

ちなみに、誰もが知っている日本の人気キャラクターも「牛」にされてしまっていたけれど、ちゃんと許可を取ってあるんだろうか。

シャレが通じない場合があるといけないので、ここではそのキャラクターの名前を出すのは避けておこうと思う。

PEIを訪れてそのTシャツを発見したとしても、ブログに載せたりなんかしないでもらいたいんだ。

世界一だけど、小さな島の、ほんの小さなシャレじゃないか。

もはやアイスクリーム店の域を超えた人気を誇る「COWS」のパロディTシャツ。スポーツ選手からアニメのキャラクターまで色々なシリーズがあります。シャーロットタウン郊外には、カウズのアイスクリーム工場があり、工場見学ツアーが人気です。美味しいアイスクリームができる工程をたっぷり見学させてくれる美味しいツアーですよ。

カウズ・アイスクリーム

僕とアンが見つけた14の物語
  1. 波間に浮かぶゆりかご
  2. 赤い大地の贈り物
  3. 「緑の屋根」と「緑の髪」
  4. 月夜の秘密
  5. キルトとともに
  6. berry berry berry
  7. 17人目のアン・シャーリー
  8. いまや高級食材
  9. 甘い甘いケーキ
  10. 建国の父
  11. 世界一のアイスクリーム
  12. オーガニックの島
  13. 運命を待つ郵便局
  14. 1つだけ聞いてほしいこと

著者プロフィール

平間 俊行 (ひらま としゆき)

報道機関で政治・選挙報道に携わる一方、地方勤務時代には地元の祭りなど歴史や文化に触れる取材に力を入れる。現在は編集部門を離れ、別分野の事業を担当しながら度々カナダを訪れ、カナダの新しい魅力を伝え続けている。